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車中泊は何時間で危ない?エコノミークラス症候群は4時間で約2倍 図の中の文字: 座ったまま、4時間越え、4、時間、越えたら、リスク2倍

車中泊は何時間で危ない?エコノミークラス症候群は4時間で約2倍

公開 読了 約29分

先に答え 車中泊は一晩で4時間の線を越えるので寝る前に段取りを決める

座ったまま4時間を越えると血栓のリスクは約2倍。車中泊の一晩はこの線を越えます。

WHOは座ったまま動かない移動が4時間以上になると静脈血栓塞栓症のリスクがおよそ2倍になると2007年に発表しました。CDCも飛行機・車・バス・電車のどれでも4時間を超える移動をリスクの対象にしています。

NEXCO東日本のドラぷらは一日平均7〜9時間の睡眠が必要と言われていると書いています。車の座席でそれだけ眠れば4時間の線を一晩で越えます。

この記事でわかること

  • 車中泊・機内・長距離ドライブ・車中泊避難で8機関が出している休憩と足の運動の目安
  • 1時間・2時間・4時間の3段で並ぶ座り続ける時間の線
  • 4時間を越えたあとに足や胸に出るサインと受診の目安
  • 年齢や体格や飲み薬で変わるなりやすい人の条件
  • 熊本地震の車中泊避難で起きたことと車中泊の夜の5つの手順

数字はどれも各機関の公式ページから取り、2026年10月9日に読み直しました。

車中泊をしてよい場所と仮眠の線は道の駅やSAで車中泊してよいかを比べた記事で読めます。この記事は場所ではなく体の話に絞り、何時間座り続けると危ないかを公式の数字で見ていきます。

車中泊・機内・ドライブ・避難の目安を8機関で1つの表に並べた

今日どこいく?編集部は長時間座る場面を4つに分けました。国際線の機内・長距離ドライブ・車中泊・災害時の車中泊避難です。目安を出している国内外の8機関の公式ページを読み、時間と回数・体の動かし方・水分と服と寝方の3つで並べ直しました。

今日どこいく?の「道の駅 全国1,234駅の一覧」の画面。道の駅の全国一覧(車中泊・24時間トイレで探す)
今日どこいく?の道の駅 全国1,234駅の一覧の画面(10月9日時点)

時間を区切る機関は少なく、どの機関もこまめに足を動かすことと水分をとることではそろっています。

機関と場面 時間と回数の目安 体の動かし方 水分・服・寝方
CDC(4時間を超える移動) 4時間を超える移動が対象・ひざを抱えて15秒を10回まで(一部の航空会社の勧め) 足をこまめに動かす・長く座ったら休んで足を伸ばす リスクのある人は医師に相談・段階的な圧迫ストッキングが合う人もいる
WHO(4時間以上の移動) 4時間以上でリスクが約2倍・それでも約6,000人に1人 足首の上下でふくらはぎを動かす きつい服を避ける
厚生労働省(車中泊・避難生活) 1時間に1度かかとの上下運動を20〜30回程度・歩くのは3〜5分程度 足や足の指をこまめに動かす 適度な水分・時々深呼吸
JAL(機内) 定期的に足を動かす つま先立ち・つま先を引き上げる・ふくらはぎを軽くもむ 適度な水分・お酒は飲みすぎない・ゆったりした服
ソラシドエア(機内) 当日か直前の1日以上の長時間移動は起きやすい条件 かかとの上下・ひざを抱えて足首を回す・ふくらはぎをもむ アルコールとカフェインと炭酸は控えめ・服で締めつけない
NEXCO東日本(長距離ドライブ) 2時間おきに休憩・眠いときは15〜20分程の短い睡眠 SA・PAで体操などで体を動かす 一日平均7〜9時間の睡眠
小松市(車中泊避難) エンジンをかけるときは30分〜1時間間隔で換気 軽い体操やストレッチ・かかとの上げ下ろし こまめな水分・お酒と喫煙をやめる・眠るときは足をあげる
日本赤十字社(車中泊など避難生活) 窮屈な空間で長時間過ごさない 定期的にからだを動かす 水分を十分にとる・弾性ストッキングを履く

時間の数字で区切っているのはWHO・CDC・厚生労働省・NEXCO東日本・小松市です。WHOとCDCは移動の長さを4時間で区切り、厚生労働省は足の運動を1時間に1度としています。

WHOは4時間以上の移動でリスクがおよそ2倍になると書きました。CDCは4時間を超える移動なら飛行機・車・バス・電車のどれでも血栓のリスクがあるとしています。

厚生労働省はエコノミークラス症候群の予防Q&Aで足の運動の例を出しています。1時間に1度はかかとの上下運動を20〜30回程度し、歩くなら3〜5分程度です。

NEXCO東日本のドラぷらは長距離ドライブで2時間おきに休憩をとるよう計画しておくことを勧めています。眠気や疲れを感じたらSA・PAで15〜20分程の短い睡眠をとるよう書いています。

小松市は防災のお知らせで、車などの狭い座席で過ごすときの予防として眠るときに足をあげることを挙げています。エンジンをかけるときは30分〜1時間間隔で換気するよう書いています。

JALとソラシドエアは機内でできる足の運動を案内しています。どちらも時間は決めず、定期的に足を動かすよう書いています。

日本赤十字社は2026年7月30日に令和8年熊本地震の避難生活について発表しました。車中泊を含む避難生活の予防として4つを挙げています。窮屈な空間で長時間過ごさない・水分を十分に摂取する・定期的にからだを動かす・弾性ストッキングを履くです。

8機関を並べると、時間を区切る数字は1時間・2時間・4時間の3つに集まります。次の章からはこの3つの線を場面ごとに見ていきます。

車中泊と機内とドライブでは動けるタイミングと乾き方が変わる

同じ長時間でも場面によって動ける自由が違います。JALは機内でシートベルトを常時着用するよう案内しているので、立ち歩けない間は座ったまま足を動かします。

今日どこいく?の「道の駅 全国1,234駅の一覧」の画面。道の駅の全国一覧(車中泊・休憩スペースを探す)。赤い枠の中は「道の駅」
今日どこいく?の道の駅 全国1,234駅の一覧の画面(10月10日時点)

場面ごとに並べると、足を動かせるタイミングと体の乾き方がそれぞれ違います。

場面 動けるタイミング 体の状態で変わるところ 出どころ
国際線・国内線の機内 着席中に足の運動・シートベルトは常時着用 長時間のフライトで湿度は20%以下まで下がる JAL・ソラシドエア
長距離ドライブ 2時間おきに休憩・SA・PAで体操 眠気や疲れには15〜20分程の短い睡眠 NEXCO東日本
車中泊 ときどき軽い体操・かかとの上げ下ろし 眠るときは足をあげる・ベルトをきつく締めない 小松市
災害時の車中泊避難 定期的にからだを動かす 暑さで脱水になりやすい・弾性ストッキングを履く 日本赤十字社

機内は乾燥します。ソラシドエアによると機内の温度は22度から26度前後で、長時間のフライトでは湿度が20%以下まで下がります。乾燥すると体内の水分が足りなくなることがあると書いています。

長距離ドライブは運転する人が自分で止まらないと足を動かせません。NEXCO東日本が2時間おきの休憩を勧めているのは居眠り運転を防ぐためで、休憩中は体操などで体を動かすことも勧めています。

車中泊は眠っている間に足が止まります。小松市は食事や水分を十分にとらないまま車などの狭い座席に長時間座っていると血液が固まりやすくなると書いています。

災害時の車中泊避難は暑さや寒さも重なります。日本赤十字社は令和8年熊本地震の発表で、暑さが続く避難生活は体と心に大きな影響を及ぼすと書いています。

飛行機に乗る前の日に車中泊をした人も気をつけます。ソラシドエアは搭乗日の当日か直前の1日以上に車・列車・航空機などで長時間移動した人を、深部静脈血栓症が起きやすい人に挙げています。

機内のむくみの対策は飛行機でのむくみ対策の記事にまとめています。車中泊から空港へ向かう旅程なら、そちらと合わせて読むと機内での過ごし方まで分かります。

車中泊で座り続ける時間の線は1時間・2時間・4時間の3段で並ぶ

公式の数字を時間の短い順に並べ直しました。いちばん短いのは小松市の換気の30分〜1時間間隔で、いちばん長いのはWHOが書いたフライトのあとの約4週間です。

小松市のエコノミークラス症候群予防策の画面。赤い枠の中は「食事や水分を十分に取らない状態で、車などの狭い座席に長時間座っていて足を動かさないと、血行不良が起こり血液が固まりやすくなります。その結果、食事や水分を十分に取らない状態で、車などの狭い座席に長時間座っていて足を動かさな」
出典:小松市「小松市のエコノミークラス症候群予防策」(10月9日に撮影・赤い枠は今日どこいく?編集部が付けたもの)

並べると足の運動と休憩とリスクの線が少しずつ長い間隔で重なっていきます。

時間の線 何が起きるか・何をするか 場面 出どころ
30分〜1時間間隔 エンジンをかけるときに換気する 車中泊避難 小松市
1時間に1度 かかとの上下運動を20〜30回程度 車中泊・避難生活 厚生労働省
2時間おき 休憩をとるよう計画しておく 長距離ドライブ NEXCO東日本
4時間以上 リスクがおよそ2倍になる 飛行機・電車・バス・車 WHO
4時間を超える 血栓のリスクの対象になる 飛行機・車・バス・電車 CDC
7〜9時間 一日平均で必要と言われる睡眠 運転する人 NEXCO東日本
約4週間 フライトのあともリスクが高いまま残る 飛行機 WHO

1時間の線は厚生労働省の足の運動です。かかとの上下運動を20〜30回程度とし、ほかに足や足の指をこまめに動かすことと3〜5分程度歩くことを例に挙げています。

2時間の線はNEXCO東日本の休憩です。長距離ドライブの疲れと眠気で居眠り運転におちいる可能性があるとして、2時間おきに休憩をとるよう計画しておくことを勧めています。

4時間の線はWHOとCDCが出しています。WHOは2007年の発表で、座ったまま動かずに4時間を超える移動をした人はリスクが高いとしました。飛行機・電車・バス・車のどれでも同じです。

CDCは長距離のフライトをおおむね4時間を超えるものとしています。そのうえで4時間を超える移動なら飛行機・車・バス・電車のどれでも血栓のリスクがあると書いています。

どちらの機関も、リスクがあるといっても高い数字ではないと断っています。WHOによると4時間を超えて座ったまま動かない人が静脈血栓塞栓症になるのは約6,000人に1人です。

車中泊に当てはめると、夜に眠る時間がそのまま4時間の線にかかります。NEXCO東日本のドラぷらは一日平均7〜9時間の睡眠が必要と言われていると書いています。車の座席でそれだけ眠れば4時間の線を一晩で越えます。

4時間を越えた車中泊のあとに足や胸に出るサインを知っておく

足の深い静脈にできた血のかたまりが血流にのって肺に流れると、肺の血管をふさぐ肺塞栓症になります。厚生労働省はこれを生命の危険を生じる可能性がある病気と書いています。

CDCによると、足の静脈に血栓ができた人の約半数には症状がまったく出ません。症状が出たときに見逃さないことが大事になります。

足に出るサインと胸に出るサインで動く急ぎ具合が変わります。

起きている場所 出るサイン どう動くか
足の静脈(CDC) 足の腫れ・説明のつかない痛み・触ると温かい・赤みや変色 なるべく早く医師に連絡する
足の静脈(厚生労働省) 太ももから下の脚の赤み・腫れ・痛み 急いで医療機関を受診する
肺(CDC) 息苦しさ・速いか乱れた脈・深呼吸や咳で強まる胸の痛み・咳や血痰・ふらつきや失神 すぐに医療の助けを求める
肺(厚生労働省) 胸痛・呼吸困難・失神 大変危険な状態になる
歩きはじめ(厚生労働省) 歩くときの息切れ・胸の痛み・一時的な意識消失・片側の足のむくみや痛み 早急に医療機関を受診する

厚生労働省が受診の目安に挙げているのは片側の足のむくみや痛みです。歩くときの息切れ・胸の痛み・一時的な意識消失が出たときも早急に医療機関を受診するよう書いています。

JALも初期症状を太ももから下の脚の赤み・腫れ・痛みとしています。このような症状が出たらためらわず病院で受診するよう案内しています。

胸のサインはさらに急ぎます。CDCは息苦しさや胸の痛みなど肺塞栓症の症状があれば、すぐに医療の助けを求めるよう書いています。

車中泊のあと足や胸がおかしいとき。息苦しい・胸が痛い・気が遠くなる?。片方の足だけむくむ・痛む・赤い?。すぐ医療機関へ。肺の血管がつまるおそれ。急いで受診。足の静脈に血栓ができているおそれ。予防を続ける。1時間に1度かかとを上げ下げ。ただし 足の血栓は約半数に症状が出ない(CDC)。今日どこいく?が作ったイラスト図解(はい/いいえの判定)

判定の順番は胸と息のサインが先で、次に片方の足です。どちらも無ければ足の運動と水分を続けます。

移動のあとにもリスクは残ります。WHOは短い間に何度も飛行機に乗った人もリスクが高く、フライトが終わっても約4週間は高いまま残ると書いています。

車中泊の旅を終えて家に戻ってからも、片方の足のむくみや胸の痛みが出たら同じ動き方をします。

車中泊の4時間は乗っていた時間ではなく動かずにいた時間で数える

WHOの4時間は移動の長さではなく、座ったまま動かない時間の話です。WHOは乗り物の乗客が座ったまま動かずに4時間を超えるとリスクが高いと書き、長く動かないことで静脈に血がたまるためだとしています。

夜の駐車場で街灯に照らされた植え込みと複数台の車が停まっている様子の写真
写真:Stkhomepage(Wikimedia Commons・CC BY-SA 3.0・切り抜き)

CDCも動かない時間が長いほど血栓ができるリスクが高くなると書いています。長い旅ではこまめに足を動かし、長く座ったら休んで足を伸ばすよう勧めています。

車中泊にこの数え方を当てはめると、座る時間は次の3つに分かれます。

  • 運転して着くまで:運転する人も同乗の人も座ったまま。NEXCO東日本の2時間おきの休憩で区切れる
  • 車の中で過ごす夜:眠っている間は足が止まる。小松市は眠るときに足をあげるよう書いている
  • 翌日の移動:前の夜の車中泊のあとにまた長く座る。ソラシドエアは直前の1日以上の長時間移動も起きやすい条件にしている

3つとも各機関の公式ページの書き方に沿って分けています。

区切りの目安は足を動かして車の外を歩いたときです。厚生労働省の例なら1時間に1度のかかとの上下運動と3〜5分程度の歩行が目安になります。

飛行機と車中泊を組み合わせた旅も同じ数え方をします。ソラシドエアの条件に当てはまるので、空港へ向かう前の夜の車中泊も数に入れます。

長距離ドライブから車中泊に入る日は2時間おきの休憩で座る時間を切る

車中泊の日は運転と夜の時間がつながります。NEXCO東日本は長距離ドライブで2時間おきに休憩をとるよう計画しておくことを勧めています。

運転中と車中泊の夜で変わる目安。ドライブ中:NEXCO東日本は2時間おきの休憩を推奨/走行中は座席を離れて休める。車中泊の夜:座ったまま4時間でリスクは約2倍/夜は動かず座り続けやすい
今日どこいく?編集部が本文の内容から作成

休憩の場所はSA・PAです。NEXCO東日本は車を停める安全な場所としてSA・PAを挙げ、休憩中は体操などで体を動かすことを勧めています。

眠気や疲れを感じたときは15〜20分程の短い睡眠をとると、居眠り運転による重大な事故を防げるとしています。この短い睡眠も座ったままなので、起きたら車の外を3〜5分程度歩いてから走り出します。

運転から車中泊の場所に着くまでを順番にすると次のとおりです。

  1. 前の夜に眠っておく:NEXCO東日本は一日平均7〜9時間の睡眠が必要と言われていると書いている
  2. 2時間おきにSA・PAで休む:休憩中は体操などで体を動かす
  3. 眠気が来たら短く眠る:15〜20分程の短い睡眠のあとは車の外を歩く

どの手順もNEXCO東日本と厚生労働省の目安に沿っています。

休憩に寄る場所は全国のサービスエリアの一覧で探せます。給油や売店やシャワーがあるかを先に見ておくと、どこで休むかを決めやすくなります。

一般道を走る日は道の駅で休む手もあります。全国の道の駅の一覧では温泉やトイレや車中泊の情報を道の駅ごとに見られます。

どこで寝てよいかは場所ごとに決まりがあります。道の駅やSA・PAでの仮眠と宿泊の線は道の駅やSAで車中泊してよいかを比べた記事で場所の種類ごとに並べています。

車中泊で特に気をつける人は年齢と体と飲み薬の条件で分かれる

リスクがあるといっても全員が同じではありません。CDCは旅に関係する血栓ができる人の多くが、ほかにも血栓のリスクを1つ以上持っていると書いています。

車中泊で特に気をつける人の条件。年齢が高い人 血栓のリスクを持ちやすい/体にリスクがある人 ほかの血栓リスクを持つ人は要注意/飲み薬を使っている人 服用中の人はCDCも注意を呼びかけ
今日どこいく?編集部が本文の内容から作成

年齢や身長の数字を出しているのはCDCとWHOで、ほかの機関は当てはまる人の種類を挙げています。

当てはまる人 公式が出している線 挙げている機関
年齢 40歳を過ぎると上がる(CDC)・高齢者(厚生労働省) CDC・厚生労働省
身長 1.9メートルより高いか1.6メートルより低い WHO
体重 太っている人 CDC・WHO・厚生労働省
手術・けが 3か月以内の手術やけが(CDC)・下肢の手術や骨折などのけが(厚生労働省) CDC・厚生労働省・JAL・ソラシドエア
妊娠・出産 妊娠中と出産から3か月まで(CDC) CDC・厚生労働省・JAL・ソラシドエア
飲み薬・ホルモン ピルなど経口避妊薬(CDCはホルモン補充療法も) CDC・WHO・厚生労働省・JAL・ソラシドエア
血栓の経験・体質 前にできた血栓・生まれつき血が固まりやすい体質 CDC・WHO・厚生労働省・JAL・ソラシドエア
足の静脈瘤 下肢静脈瘤 CDC・厚生労働省・JAL・ソラシドエア
がん がんがある人・最近がんの治療を受けた人 CDC・厚生労働省・JAL・ソラシドエア
持病 心臓や肺の病気と糖尿病(CDC)・糖尿病や高血圧(厚生労働省) CDC・厚生労働省
直前の長い移動 搭乗日の当日か直前の1日以上に長時間移動した人 ソラシドエア

年齢はCDCが40歳を過ぎるとリスクが上がると書き、厚生労働省は高齢者を挙げています。

体格の数字を出しているのはWHOです。WHOは太っている人のほかに身長が1.9メートルより高い人と1.6メートルより低い人を挙げています。

経口避妊薬はCDC・WHO・厚生労働省・JAL・ソラシドエアの5つがそろって挙げています。CDCは妊娠中と出産から3か月までの時期も並べています。

手術とけがは時期で区切られています。CDCは3か月以内の手術やけがを挙げ、厚生労働省は下肢の手術と骨折などのけがを挙げています。

前に血栓ができたことがある人や家族に血栓の人がいる人は、出発の前に医師に相談するようCDCが勧めています。ソラシドエアも当てはまる人は搭乗前に主治医と相談するよう書いています。

厚生労働省は災害やその避難生活の環境でこの病気がより起きやすくなるとの指摘があると書いています。持病のある人が車中泊避難をするときは、表の条件に当てはまらないかを先に見ておきます。

熊本地震の車中泊避難では発災直後にエコノミークラス症候群が集中した

熊本県は令和5年10月25日に内閣府の検討会へ平成28年熊本地震の車中泊の状況をまとめた資料を出しています。資料は多数の車中泊者がいたことを示し、主な課題の1つに発災直後のエコノミークラス症候群を挙げました。

前回と今回の熊本地震を並べると、車中泊の注意は同じ点に集まります。

項目 平成28年熊本地震(熊本県の資料) 令和8年熊本地震(日本赤十字社)
資料の出どころ 令和5年10月25日の内閣府の検討会(第4回)の資料 2026年7月30日の発表
避難の規模 グランメッセ熊本の駐車場が満杯(2,200台) 避難所432か所・8,886人(7月29日14時時点)
エコノミークラス症候群 発災直後に患者が集中的に発生・重篤な患者も出た 少しでも症状がみられたら速やかに受診
配ったもの・呼びかけ 予防のチラシと弾性ストッキングを配布 窮屈な空間で長時間過ごさない・水分・体を動かす・弾性ストッキング

平成28年の資料によると発災直後にエコノミークラス症候群の患者が集中的に発生しました。中には重篤な患者も出ています。

グランメッセ熊本(産業展示場)では駐車場が満杯(2,200台)になりました。国などが手配した仮設トイレや自衛隊と他県の給水車が置かれています。

支援では保健師などが巡回してエコノミークラス症候群の予防のチラシを配り、弾性ストッキングも配っています。報道機関と連携した呼びかけも行いました。

資料は今後の方向として、エコノミークラス症候群の平時と発災直後の呼びかけを挙げています。車中泊をする人を集める場所を前もって決めておくことも方向の1つです。

令和8年熊本地震は2026年7月28日に起きました。日本赤十字社によると7月29日14時の時点で避難所は432か所開かれ、8,886人が避難しています。自宅や車内で避難生活を送る人もいると書いています。

日本赤十字社は車中泊などで体を自由に動かせない状態が長く続くと、血行不良で血栓ができると説明しています。少しでも症状がみられたら速やかに医療機関を受診するよう呼びかけました。

高齢者や子どもなどの災害時要配慮者は影響を受けやすいとも書いています。家族で車中泊避難をするときは、高齢の家族の足の運動と水分を先に見ておきます。

車中泊の夜にやることは寝る前から朝まで5つの手順で進める

ここまでの公式の目安を車中泊の一晩の順番に並べ直しました。どの手順も厚生労働省・小松市・日本赤十字社のページに書かれていることです。

  1. 寝る前に水分をとる:小松市は十分にこまめに水分をとるよう書いている
  2. 服をゆるめてお酒をやめる:ゆったりした服装にしてベルトをきつく締めない
  3. 足をあげて眠る:小松市は眠るときに足をあげるよう書いている
  4. 目が覚めたらかかとを上げ下げする:厚生労働省は1時間に1度20〜30回程度を例に挙げている
  5. 朝は車の外を歩く:厚生労働省は3〜5分程度歩くことを例に挙げている

手順は小松市の注意事項と厚生労働省の予防Q&Aから組んでいます。

車中泊でこんな寝方をしていませんか。血の流れを悪くしやすいのはこの4つ。ズボンのベルトを締めたまま寝る。お酒を飲んでから車で寝る。水分をとらずに朝まで眠る。足を下ろしたまま座って眠る。当てはまる人は。ベルトをゆるめ水分をとり足を上げて寝る。今日どこいく?が作ったイラスト図解(「こんなことしていませんか」のチェック場面)

1つ目の水分は寝る前だけでなく夜中に目が覚めたときもとります。小松市は食事や水分を十分にとらない状態で長く座ると血液が固まりやすくなると書いています。

2つ目の服とお酒は機内の案内とも重なります。JALはアルコールを飲みすぎないよう書き、ソラシドエアはアルコールやカフェインを含む飲み物と炭酸飲料を控えめにするよう書いています。

小松市はアルコールの摂取はしないとし、禁煙も挙げています。車中泊の夜は機内よりも一段きびしい書き方です。

3つ目の足をあげる寝方は小松市の注意事項にあります。座ったまま足を下ろして眠る形は避けます。

4つ目のかかとの上下運動は座ったままでもできます。ソラシドエアはシートベルトを緩めて足先を伸ばしたり曲げたりするかかと上下運動を案内しています。

5つ目の朝の歩行は厚生労働省の例で3〜5分程度です。出発する前に車の外の安全な場所で足を動かしておきます。

エンジンをかけたまま眠るときは別の注意があります。小松市はエンジンをかけるときは30分〜1時間間隔で換気し、指定緊急避難所では長時間エンジンをかけ続けないよう書いています。

暑い時期と大雪の日は車中泊の備えが変わる

季節で変わるのは水分と換気です。日本赤十字社は令和8年熊本地震の発表で、暑さが続く避難生活の熱中症に気をつけるよう呼びかけました。

熱中症は脱水を引き起こします。日本赤十字社は普段より尿の量や回数が減ることや色が濃くなることを脱水のサインに挙げています。

水分のとり方も具体的です。喉が渇いたときはもちろん、喉が渇く前や暑いところに出る前からこまめに補給するよう書いています。

脱水は血栓の話ともつながります。厚生労働省も小松市も、エコノミークラス症候群の予防に水分をとることを挙げています。

大雪の日は車での避難そのものを控えるよう小松市が書いています。車の排気口が雪で埋もれてしまうおそれがあるためです。

冬の車中泊でエンジンを止めたときの寒さと一酸化炭素の話は道の駅やSAで車中泊してよいかを比べた記事でも読めます。雪の日に車中泊をするかどうかを決める前に、そちらも合わせて見ておきます。

車中泊のエコノミークラス症候群でよく聞かれる8つの質問に答える

Q. 車中泊でエコノミークラス症候群を防ぐには何をする?
A. 厚生労働省は1時間に1度のかかとの上下運動を20〜30回程度と3〜5分程度の歩行を例に挙げています。小松市は眠るときに足をあげることとお酒を飲まないことも挙げています。

Q. エコノミークラス症候群は何時間座ると起きやすい?
A. WHOは座ったまま動かない移動が4時間以上になるとリスクがおよそ2倍になると発表しました。CDCも4時間を超える移動を対象にしています。それでもWHOは約6,000人に1人と低いままだとしています。

Q. 車中泊で足がむくんだら受診したほうがいい?
A. 片方の足だけがむくむ・痛むときは受診の目安に当たります。厚生労働省は片側の足のむくみや痛みが出たら早急に医療機関を受診するよう書いています。胸の痛みや息切れがあればさらに急ぎます。

Q. エコノミークラス症候群になりやすい人は?
A. CDCは40歳を過ぎるとリスクが上がると書き、3か月以内の手術やけがと出産から3か月までの時期も挙げています。WHOは身長1.9メートル超か1.6メートル未満の人と経口避妊薬を使う人を挙げています。

Q. 車中泊ではどんな姿勢で寝るといい?
A. 小松市は眠るときに足をあげるよう書いています。ゆったりした服装でベルトをきつく締めないことも同じページにあります。目が覚めたら厚生労働省の例のように1時間に1度を目安にかかとを上げ下げします。

Q. 車中泊避難で気をつけることは?
A. 日本赤十字社は令和8年熊本地震で、窮屈な空間で長時間過ごさない・水分を十分にとる・体を動かす・弾性ストッキングを履くの4つを挙げました。小松市はエンジンをかけるとき30分〜1時間間隔で換気するよう書いています。

Q. エコノミークラス症候群の初期症状は?
A. 厚生労働省とJALは太ももから下の脚の赤み・腫れ・痛みを初期症状に挙げています。CDCによると足の血栓のある人の約半数は症状が出ないので、4時間を越える車中泊のあとは片方の足のむくみにも気をつけます。

Q. 長距離運転は何時間ごとに休憩する?
A. NEXCO東日本のドラぷらは2時間おきに休憩をとるよう計画しておくことを勧めています。眠気や疲れを感じたらSA・PAで15〜20分程の短い睡眠をとると居眠り運転の事故を防げるとしています。

まとめ 車中泊は4時間の線を越える前提で足と水分を回す

車中泊の一晩は4時間の線を越えるので足の運動と水分を前もって決めておきます。

  • WHOは座ったまま動かない移動が4時間以上でリスクがおよそ2倍になると発表した
  • 厚生労働省は1時間に1度のかかとの上下運動と3〜5分程度の歩行を例に挙げている
  • NEXCO東日本は長距離ドライブで2時間おきの休憩を勧めている
  • 片側の足のむくみや痛み・胸の痛み・息切れが出たら早急に医療機関を受診する

車中泊は眠る時間がそのまま座る時間になります。寝る前の水分と足をあげる寝方と朝の歩行を決めておけば、公式の目安に沿った一晩になります。

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