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車中泊は道の駅やSAでしていい?仮眠と宿泊の境目を5種類で比べた 図の中の文字: 車中泊できる場所、道の駅とSA・PAは仮眠まで、泊まっていいのは3種類だけ、道の駅で泊まっていい?

車中泊は道の駅やSAでしていい?仮眠と宿泊の境目を5種類で比べた

公開 更新 読了 約25分

先に答え:道の駅とSA・PAの車中泊は仮眠までにする

道の駅とSA・PAは仮眠まで。泊まるなら有料区画かキャンプ場を予約する。

この記事でわかること

  • 道の駅・SA・PA・有料区画・RVパーク・キャンプ場の5種類で泊まってよいかの違い
  • 道の駅とSA・PAの両方で禁止されている行為
  • 鈴鹿PAのRVステーションと三豊市のRVパークの料金と使い方
  • 冬にエンジンを止めて寝たときの車内温度(JAFの実験)
  • エンジンをかけたまま寝るときの一酸化炭素と条例の線

車中泊を考えるとき、最初に迷うのは「どこなら泊まってよいか」だ。国土交通省は道の駅について、運転の途中で疲れを取るために車内で仮眠をとるのはかまわないと答えている。ただし駐車場など公共の場所で泊まる使い方は、基本的に遠慮してほしいとしている。

高速道路のSA・PAも考え方は近い。NEXCO西日本は休憩の目的から外れた長時間・長期間の駐車や野宿・車上生活を禁止行為に挙げている。一方でNEXCO東日本は、眠気を感じたらSA・PAで15〜20分ほどの短い睡眠をとるよう勧めている。

つまり道の駅とSA・PAの駐車場は、どちらも「仮眠まで」が公式の線になる。泊まってよいのは、泊まる人のために用意された区画とキャンプ場だ。今日どこいく?編集部は5種類の場所の決まりを公式ページから集めて1つの表に並べた。

車中泊できる場所5種類を公式の決まりで並べた

国土交通省・NEXCO3社・三豊市・日本オートキャンプ協会の公式ページから、車で夜を過ごせそうな場所の決まりを集めた。並べたのは「道の駅」「SA・PA」「SA・PAの有料区画」「RVパーク」「オートキャンプ場」の5種類だ。

表にすると、泊まってよい場所は道の駅とSA・PAの外にある3種類だけだと分かる。

場所 泊まってよいか 公式が出している数字 出どころ
道の駅の駐車場 仮眠はかまわない。宿泊目的の利用は基本的にご遠慮 24時間無料で使える休憩施設(駐車場・トイレ) 国土交通省・岩手県「道の駅」連絡会
SA・PAの駐車場 休憩と仮眠まで。長時間・長期間の駐車や野宿・車上生活は禁止(NEXCO西日本) 眠いときは15〜20分ほどの短い睡眠(NEXCO東日本)。短時間限定駐車マスは駐車後60分以内に出発(NEXCO西日本) NEXCO東日本・NEXCO西日本
SA・PAの有料区画(鈴鹿PAのRVステーション) 泊まってよい(予約制の車中泊スポット) 1台2,200円・12:00〜翌10:00・AC電源(100V)・5台 NEXCO中日本
RVパーク(三豊市の6か所) 泊まってよい(車中泊専用の有料駐車場) 2,200円〜3,000円・全国に400カ所以上 三豊市
オートキャンプ場 泊まってよい(キャンプの形として車中泊が定着) 全国に1,757か所・2025年の稼働率16.3% 日本オートキャンプ協会

道の駅は「ドライバーなど皆さんが交通事故防止のため24時間利用できる休憩施設」と国土交通省が位置づけている。岩手県の「道の駅」連絡会の案内では、駐車場とトイレを24時間無料で使える休憩施設と書いている。

表に入れたSA・PAの有料区画は、NEXCO中日本が新名神の鈴鹿PA(上り)で営業している「RVステーション鈴鹿PA」だ。高速道路で全国初のレジャー向け車中泊スポットで、料金は1台2,200円(税込)となっている。

三豊市の説明では、RVパークは24時間使えるトイレや電源コンセントがあって近くに入浴施設があるなどの要件をそろえた場所だ。日本には400カ所以上あり、キャンピングカーなどの車中泊のほか災害のときにも役立つとしている。

オートキャンプ場は日本オートキャンプ協会の白書で全国1,757か所まで増えた。施設が増えるなかでも稼働率は16.3%を保ち、「車中泊」はキャンプの形として定着したとまとめている。キャンピングカーの保有台数も初めて「100人に1台」の水準に届いた。

道の駅でも宿泊用の区画があれば泊まってよい

「道の駅は仮眠まで」には例外がある。国土交通省は、宿泊のための駐車スペースを別に設けている道の駅もあると書いている。詳しくは各道の駅のホームページなどで確かめてから使うよう案内している。

岩手県の「道の駅」連絡会の案内も同じだ。全国の道の駅にはオートキャンプ場・RVパーク・宿泊施設・温泉・シャワー・コインランドリーなどを備えて、泊まりに対応できる駅もあるとしている。

実際の例が香川県三豊市にある。市内で日本RV協会の基準を満たすRVパークは6か所あり、そのうち2か所は道の駅にある。同じ道の駅でも、駐車場のふつうのマスとRVパークの区画では泊まってよいかの答えが変わる。

三豊市の6か所は料金が2,200円から3,000円までで、台数は3台から9台まで開きがある。

RVパーク(三豊市) 料金 台数
たかせ天然温泉 2,500円 3台
仁尾マリーナ 2,750円 4台
父母ヶ浜 3,000円 9台
サンリゾート仁尾(民間施設) 2,200円 7台
道の駅ふれあいパークみの 2,500円 4台
道の駅 たからだの里さいた 2,500円 5台

※料金は市のページの書き方のまま載せた

料金がいちばん安いのはサンリゾート仁尾の2,200円で、いちばん高いのは父母ヶ浜の3,000円だ。道の駅にある2か所はどちらも2,500円となっている。台数は父母ヶ浜の9台が最も多く、たかせ天然温泉は3台しかない。

高速道路の有料区画にも条件がある。RVステーション鈴鹿PAは新名神の上り線にあり、下り線から来た人は鈴鹿スマートインターか最寄りのインターチェンジで上り線に乗り直す必要がある。遠くから来た人は距離もリセットされるので、上り線を走る日に組み込むと乗り直しが要らない。「ぷらっとパーク」からは入れないことも書かれている。

道の駅とSA・PAで禁止されている行為を突き合わせた

泊まる・泊まらないの線とは別に、止めている間にやってはいけないことも決まっている。岩手県の「道の駅」連絡会は一般的な禁止マナーとして10項目を挙げている。NEXCO西日本はSA・PAで禁止する行為を一覧にしている。

今日どこいく?編集部は2つの一覧から車中泊で当たりやすい6つの行為を選んで横に並べた。

両方ではっきり禁止されているのは4つで、残りの2つは道の駅とSA・PAで強さが逆になる。

やること 道の駅(岩手県「道の駅」連絡会) SA・PA(NEXCO西日本)
駐車マス以外に止める 禁止(②駐車マス以外への駐車) 禁止(所定の場所以外への駐車)
バーベキュー・たき火・花火で火を使う 禁止(③。キャンピングカー内の調理器具での使用などは除く) 禁止(みだりに火器を使う・許可のないバーベキューや花火)
テントやタープを広げてキャンプをする 禁止(④車外のイス・テーブル・テント・タープ・発電機など) 禁止(許可のないキャンプ・野営)
ゴミを置いていく 禁止(⑩ポイ捨て・不要物の置き去り) 禁止(家庭ゴミの持ち込み・放置・不法投棄)
泊まる目的で長く止める 宿泊目的の利用はご遠慮(仮眠はかまわない) 禁止(休憩の目的から外れた長時間・長期間の駐車・野宿・車上生活)
エンジンをかけたまま止める 禁止(①長時間のアイドリング) お願い(駐停車時はアイドリングストップ)

※丸数字は道の駅の禁止マナーの番号

上の4行は、どちらに止めても守る線だ。共通しているのは駐車マスの外に止めない・火を使わない・テントを広げない・ゴミを残さないの4つになる。道の駅の③はバーベキューやたき火のほか煮炊き・炊飯・湯沸かしも含むが、キャンピングカー内の調理器具での使用などは外している。

強さが逆になるのは下の2行だ。道の駅は長時間のアイドリングを禁止マナーの1番目に置き、泊まる使い方は「ご遠慮」とお願いにとどめている。NEXCO西日本は野宿や車上生活をはっきり禁止する一方で、アイドリングは駐停車時の「アイドリングストップ」をお願いする形だ。

道の駅の一覧にはこのほか、建物から電源をとること(盗電)やトイレットペーパーの持ち出しが入っている。水道を使った洗車や手洗い器で食器・衣類・頭や体を洗うこと、タオルや衣類の天日干しも禁止マナーだ。

道の駅の車中泊でこんなことをしていませんか。道の駅の禁止マナーに当たる4つ。エンジンをかけたまま長く止める。車の外でお湯を沸かして煮炊き。車の外にイスやテーブルを出す。建物のコンセントから電源をとる。当てはまる人は。RVパークか有料区画を予約する。今日どこいく?が作ったイラスト図解(「こんなことしていませんか」のチェック場面)

NEXCO西日本の一覧には、許可なく車を置いたままSA・PAを離れることや決められた場所以外での喫煙が入っている。空ぶかしで騒音を出すことも禁止だ。禁止行為をした人には中止や退去を求めたり関係機関へ通報したりする場合があると書いている。

高速道路3社の案内は仮眠の目安と泊まれる区画で分かれる

高速道路のSA・PAについては、NEXCO東日本・中日本・西日本の3社がそれぞれ公式ページで案内を出している。集めたページの中身は3社で違い、東日本は眠気・中日本は泊まれる区画・西日本は駐車の決まりを書いている。

3社を並べると、SA・PAは短い仮眠の場所で泊まるなら予約した区画になると分かる。

会社 公式の案内 車中泊で読むところ
NEXCO東日本(ドラぷら) 2時間おきに休憩をとるよう計画する。眠気や疲れを感じたらSA・PAで15〜20分ほどの短い睡眠をとる 眠いときの短い仮眠はSA・PAが勧める使い方
NEXCO中日本 鈴鹿PA(上り)のRVステーションを1台2,200円で営業。12:00〜翌10:00・AC電源(100V)・火気厳禁 高速道路で泊まるなら予約した有料区画
NEXCO西日本 休憩の目的から外れた長時間・長期間の駐車や野宿・野営・車上生活を禁止。短時間限定駐車マスは駐車後60分以内に出発 休憩を超えて泊まるのは禁止行為

NEXCO東日本の運営するドラぷらは、長いドライブでは2時間おきに休憩をとるよう計画しておくことを勧めている。眠気や疲れを感じたら安全に止められるSA・PAを使い、15〜20分ほど眠ると居眠り運転による重大な事故を防げるとしている。休憩中は体操などで体を動かすことや、コーヒーなどでカフェインをとることも勧めている。

同じページは1日に平均7〜9時間の睡眠が必要と言われているとして、十分に眠ってから運転するよう呼びかけている。SA・PAでの短い睡眠は、居眠りを防ぐための休憩として勧められているものだ。

NEXCO西日本は駐車のしかたも細かく決めている。SA・PAの駐車スペースは小型車・大型車・トレーラー・障がい者用・二輪車の車種ごとに分かれていて、決められた場所に止めるよう求めている。短時間限定駐車マスは駐車後60分以内に出発し、60分を超えるならほかのマスを使うよう書いている。

集会やオフ会で長い時間駐車スペースを占めることも、やめるよう求めている。SA・PAの駐車できる台数には限りがあり、休憩が必要な人が使えなくなるためだ。

車中泊の5種類の表から読み取れる線は3つある

ここまでの表から読み取れることは3つある。

  1. 道の駅もSA・PAも、仮眠は認めて泊まる使い方は控えてもらう線を引いている
  2. 泊まってよい場所は、泊まる人のためにトイレや電源などを用意した区画かキャンプ場に限られる
  3. どこに止めても守る決まりは4つで、駐車マス・火・テント・ゴミにまとまる

1つ目の線は料金とも重なる。道の駅は24時間無料で使える休憩施設だ。泊まってよい区画は鈴鹿PAのRVステーションが1台2,200円で、三豊市のRVパークは2,200円から3,000円となっている。

2つ目の線は設備の違いから来ている。RVパークの要件には24時間使えるトイレと電源コンセントが入っていて、RVステーション鈴鹿PAにもAC電源(100V)がある。道の駅では建物から電源をとることが禁止マナーに入っているので、電気を使いたい夜は有料区画のほうが向いている。

3つ目の線は場所を選ばない。駐車マスの外への駐車・火の使用・キャンプ・ゴミの放置は、道の駅でもNEXCO西日本のSA・PAでも禁止に入っている。有料区画のRVステーション鈴鹿PAも、ステーションの中は火気厳禁だ。

なぜ道の駅とSA・PAは泊まる使い方を控えてもらうのか

分かれ目が生まれる理由は、道の駅もSA・PAも「休憩施設」として作られていることにある。国土交通省は道の駅を、ドライバーなどが交通事故を防ぐために24時間使える休憩施設と説明している。NEXCO西日本もSA・PAを、高速道路を使う人の休憩などを目的とした施設と書いている。

休憩施設で仮眠が認められるのは、眠いまま走るほうが危ないからだ。ドラぷらは15〜20分ほどの短い睡眠で居眠り運転の重大な事故を防げるとして、SA・PAを車を止める安全な場所に挙げている。

一方で一晩じゅう止める車が増えると、休憩したい人が止める場所を失う。NEXCO西日本は駐車できる台数に限りがあることを理由に、長時間にわたって駐車スペースを占めることをやめるよう求めている。

設備と責任の違いもある。道の駅の案内は、事故や盗難について道の駅は責任を負えないと書いている。RVパークは24時間使えるトイレや電源と近くの入浴施設などの要件をそろえた場所だ。泊まる人を受け入れる前提で作られている。

NEXCO中日本も車中泊をしたい人のために、鈴鹿PAの駐車場に直結した区画を別に作った。1台あたり約4m×約8mの区画が5台分あり、使える時間は12:00から翌10:00までと決まっている。休憩のマスとは別に、泊まる人の区画を用意した形だ。

自分に合う車中泊の場所は2つの問いで選べる

どこに止めるかは、まず「泊まるのか仮眠なのか」で決まる。次に電源やお風呂などの設備と車の大きさで絞る。

ここで車中泊していい?2問で分かる。予約した有料区画かキャンプ場に止める?。運転の途中で疲れを取る仮眠?。泊まってよい。RVパーク・有料区画・キャンプ場。仮眠まで。道の駅もSA・PAも仮眠はかまわない。ここでは泊まらない。泊まれる区画かキャンプ場を探す。ただし 宿泊用の区画を設けた道の駅もある。今日どこいく?が作ったイラスト図解(はい/いいえの判定)

判定の流れは2問で済む。予約した有料区画かキャンプ場に止めるなら、泊まってよい。そうでなければ運転の途中で疲れを取るための仮眠かどうかを考え、仮眠なら道の駅でもSA・PAでもかまわない。泊まるつもりなら、道の駅とSA・PAの駐車場はやめて泊まれる区画を探す。

条件ごとの選び方は次のとおりだ。

  • 夜中に走っていて眠くなった:近くのSA・PAか道の駅で15〜20分ほど仮眠する
  • 最初から泊まる予定がある:RVパークかSA・PAの有料区画かオートキャンプ場を予約する
  • 電気を使いたい:AC電源(100V)のあるRVステーション鈴鹿PAか電源コンセントが要件のRVパーク
  • お風呂に入りたい:近くの入浴施設が要件のRVパークか、コインシャワーが24時間使える鈴鹿PA
  • 外でご飯を作ったりテントを張ったりしたい:道の駅でもSA・PAでも禁止なのでオートキャンプ場を選ぶ
  • 車が大きい:RVステーション鈴鹿PAは全長8.0m・全幅3.5m以下でトレーラー牽引車は使えない

仮眠の長さはNEXCO東日本のページから引き、設備と車の大きさはNEXCO中日本と三豊市のページから引いた。

オートキャンプ場は全国に1,757か所ある。日本オートキャンプ協会の白書は、夫婦やカップルなど2人で楽しむ「デュオキャンプ」の広がりや5年ぶりに増えたビギナーキャンパーも取り上げている。テントを張らずに車の中で寝るだけでも、キャンプ場なら泊まる前提で場所を借りられる。

鈴鹿PAのRVステーションは予約から退場まで4手で使える

予約制の有料区画は、当日いきなり入れる場所ではない。RVステーション鈴鹿PAを例に、NEXCO中日本が書いている使い方の順番を並べる。

  1. Carstayのアプリを入れてアカウントを作る
  2. 「RVステーション鈴鹿PA」のページにログインして予約し、クレジットカードで払う
  3. 当日は予約のあとに知らされた暗証番号で入口を開けて中へ入る
  4. 使い終わったら鍵をかけて出る

この4手はNEXCO中日本の案内のとおりで、中は一方通行なので入口から入って出口から出る。

表にすると、泊まれるのは12:00から翌10:00までで車の大きさにも上限があると分かる。

項目 RVステーション鈴鹿PA
場所 E1A新名神 鈴鹿PA(上り)の駐車場に直結
料金 2,200円(税込)/台
使える時間 12:00〜翌10:00
台数 5台(1台あたり約4m×約8m)
使える車 全長8.0m・全幅3.5m以下(トレーラー牽引車は不可)
設備と決まり AC電源(100V)・ステーションの中は火気厳禁・中は一方通行
予約 Carstayのサイトで随時受け付け・クレジットカード決済

※営業期間は「当面の間」と書かれている

鈴鹿PAにはコインシャワーとコンビニがあり、どちらも24時間使える。洗濯機は1回200円(約30分)で、乾燥機は10分100円だ。男性用と女性用にそれぞれ洗濯機2台とガス乾燥機2台がある。

三豊市のRVパークは、市のページに6か所それぞれの問い合わせ先の電話番号が載っている。台数が3台から9台と少ないので、行く前に空きを問い合わせておくと当日あわてない。

大雨や大雪で通行止めになりそうなら有料区画は使えないことがある

天気で変わる決まりもある。RVステーション鈴鹿PAは高速道路の上にあるので、通行止めのおそれがあるときは施設の利用を止める場合があるとNEXCO中日本は書いている。予約した夜に大雨や大雪の予報が出たら、代わりに泊まる場所も考えておきたい。

NEXCO西日本は災害・事故・工事・除雪作業などのときには、警察官や係員の指示に従うよう求めている。

吹雪や大雪で車が立ち往生すると、車内に長い時間取り残されることがある。JAFはこうしたときは外より車内のほうが温度が高いので、無理に外へ出ずに車内で天候の回復や救援を待つよう呼びかけている。

ただし大雪の夜はマフラーが雪で埋まるおそれがある。小松市は大雪のときにマフラーが雪に埋もれる可能性があるとして、車での避難を控えるよう呼びかけている。エンジンをかけるときの注意は下の章で数字と一緒に見る。

暑さも車中泊の計画を左右する。日本オートキャンプ協会の白書は、2025年は前の年に続く猛暑や各地でのクマの出没でキャンプの環境が大きく変わったとしている。利用する人は避暑地を選ぶなど、変化に合わせてキャンプを楽しんでいたという。

冬の車中泊はエンジンを止めると何時間もつのか

冬の車中泊でいちばん迷うのが、エンジンを止めて寝られるかどうかだ。JAFは2014年2月に長野県上田市の菅平高原で、エンジンを止めた車内で一晩過ごせるかを試している。

テストは午後11時から翌朝7時までの8時間だ。外の気温は始めたときが−10.2℃で、いちばん下がったときは−13.2℃だった。20代から30代の4人がミニバン2台に分かれて乗り、30分ごとに続けるかどうかを確かめた。

始める直前までエンジンをかけて車内を25℃にしてあり、服装は全員同じダウンジャケットとジーンズにそろえた。備えは「対策なし」「毛布+使い捨てカイロ」「寝袋(冬山用)」「エマージェンシーシート」の4通りだ。

結果を並べると、朝まで過ごせたのは毛布と使い捨てカイロと寝袋の2通りだけだった。

備え どこまで過ごせたか そのときの外の気温 そのときの車内の温度
対策なし 2時間45分でギブアップ −11.1℃ 1.8℃
エマージェンシーシート 5時間27分でギブアップ −12℃ −3.9℃
毛布+使い捨てカイロ 8時間たって無事に終了 −12.9℃ −7℃
寝袋(冬山用) 8時間たって無事に終了 −12.9℃ −7℃

※2014年2月4日〜5日に長野県上田市の菅平高原で行ったテスト

対策なしの人は、エンジンを切って30分くらいでかなり寒くなり始めたと話している。2時間45分でやめたときの車内は1.8℃で、足先の感覚がなくなってきたという。

エマージェンシーシートは緊急のときに体温を保つための薄くて軽いアルミのシートだ。はじめは暖かかったものの顔や足先が冷え、最初にかいた汗も冷えて5時間27分でギブアップした。JAFは通気性がないぶん汗をかいて冷えにつながったとみている。

毛布と使い捨てカイロの人は「カイロがあったから朝まで過ごせた感じです」と話し、午前1時ごろから特に足と鼻がきつかったという。寝袋の人も朝方は寒さがきつく、「冬の車中泊はできないかなと思いました」と振り返っている。朝まで過ごせた2通りでも、車内は−7℃まで下がっていた。

冬の車中泊はエンジンを止めて何時間もつか。寝るときの備え。続いた時間。対策なし。2時間45分。車内1.8℃でギブアップ。エマージェンシーシート。5時間27分。車内−3.9℃でギブアップ。毛布+使い捨てカイロ。8時間で終了。カイロで朝まで過ごせた。寝袋(冬山用)。8時間で終了。朝方は寒さがきつかった。条件 JAFの実験・外の気温は−10.2〜−13.2℃。今日どこいく?が作ったイラスト図解(状況→目安の早見表)

この結果から言えるのは、冬の車中泊ではエンジンを止めても過ごせる備えを先に積んでおくことだ。JAFは毛布などの用意がなくエンジンをかけて暖房を使う場合は、一酸化炭素中毒の危険を考えて頻繁な換気とマフラー周りの除雪が必要だとしている。

冬に出かけるなら毛布と使い捨てカイロか寝袋を最初から車に積んでおく。飛行機で出かけて着いた先で車を借りるなら、使い捨てカイロを機内に持ち込めるかを持ち込み早見表で先に確かめておくと空港で迷わない。

エンジンを止めても電気を使いたいときのポータブル電源

エンジンをかけたまま寝るなら条例と雪に気をつける

エンジンをかけたまま寝てよいかは、場所の決まりと天気の2つで答えが変わる。道の駅は長時間のアイドリングを禁止マナーの1番目に挙げている。NEXCO西日本もSA・PAでの駐停車時はアイドリングストップを合言葉にするようお願いしていて、条例でアイドリングを禁止する自治体も増えていると書いている。

東京都の環境確保条例は、都内(島しょを含む)で自動車を運転する人にアイドリング・ストップを守るよう義務づけている。20台以上止められる駐車場の設置者や管理者には、看板などでアイドリング・ストップを知らせることも求めている。

義務から外れるのは信号待ち・渋滞・人の乗り降り・緊急自動車などのほか「やむを得ないと認められる場合」だ。東京都は例として、熱中症で命の危険があるなかで運転する人が車を離れられないときなどを挙げている。その場合も必要な時間に限り、近くに住む人などに十分気を配った場所にするよう書いている。体の弱い人や障害のある人が体を保つための温度設定を必要とし、ほかに休める部屋を確保しにくい場合も例に入っている。

夏の夜に冷房のためにエンジンをかけ続けたくなる場面もある。暑さをしのぐためにずっとエンジンをかける使い方は、道の駅では禁止マナーの「長時間のアイドリング」に当たる。

5つの出どころを並べると、エンジンをかけて寝るなら換気と除雪が欠かせないと分かる。

出どころ 決まりと結果 やること
東京都(環境確保条例) 運転する人にアイドリング・ストップを義務づけ。例外は信号待ち・渋滞・人の乗り降り・やむを得ない場合など 例外に当たらなければエンジンを止める
道の駅(岩手県「道の駅」連絡会) 長時間のアイドリングは禁止マナーの1番目 寝る前にエンジンを切る
SA・PA(NEXCO西日本) 駐停車時はアイドリングストップをお願い 休むときはエンジンを止める
JAF(冬の車内温度) 毛布などが無く暖房を使うなら頻繁な換気とマフラー周りの除雪が必要 毛布とカイロか寝袋を積んでおく
小松市 エンジンをかけるときは30分〜1時間おきに換気。大雪のときはマフラーが雪に埋もれる 換気の時間を決めてマフラーを見る

雪でマフラーが埋まると一酸化炭素は16分で危ない濃さになる

JAFは2015年2月に北海道旭川市で、雪に埋まった車の中の一酸化炭素(CO)の濃さを測っている。同じ車を2台用意してエンジンをかけ、1台は何もしない「対策なし」でもう1台は「マフラー周辺を除雪」にした。雪はマフラーの高さまでとボンネットの上までの2通りで覆い、窓を5cmほど開けた場合も試した。

結果を並べると、COがほとんど出なかったのはマフラーまわりを除雪した車だけだった。

車の状態 COの濃さの動き
対策なし(マフラーが雪に埋まったまま) 始めた直後から上がり、16分後に短時間暴露限度の400ppm。その6分後に測定上限の1,000ppm
窓を5cmほど開けた 始めて5分で100ppm台。増えたり減ったりしたあと約40分後に400ppm、すぐに800ppm台
マフラー周辺を除雪 終始ほとんど検知されなかった

※2015年2月16日に北海道旭川市で行ったテスト。エアコンは外気導入でそろえた

対策なしの車は、始めて16分でCOの濃さが短時間暴露限度の400ppmに上がった。その6分後には測定の上限の1,000ppmに届いている。窓を5cmほど開けた車も約40分後に400ppmへ上がり、そのあとすぐ800ppm台になった。

JAFはマフラーの近くに発煙筒を置いて、排ガスの流れも確かめている。車の床下にたまった排ガスが車内に吸い込まれ、エアコンが内気循環でも車体のすき間から入る危険があるという。車のまわりの状況や風向きとエアコンの設定で結果は変わるので、今回安全だった条件でも危険になる場合があるとしている。

雪の夜にエンジンをかけるとき。車中泊でエンジンをかけるならマフラーを見る。暖房をつけたまま寝ていい?。マフラーを除雪。COはほとんど検知されず。換気は30分〜1時間おき。毛布とカイロも積んでおく。雪に埋まったまま。16分で400ppm。その6分後に1,000ppm。窓5cmでも約40分で400ppm。安全だった条件でも危険になる場合がある。今日どこいく?が作ったイラスト図解(人物の悩み+◎△の2枚カード)

一酸化炭素中毒は軽い頭痛や吐き気から始まり、その後の昏倒から最悪の場合は死に至ると小松市は説明している。本人が気づかないうちに被害にあう強い毒性があるという。エンジンをかけるときは30分〜1時間おきに換気するよう呼びかけている。

同じ姿勢で寝続けるとエコノミークラス症候群になりやすい

車中泊で気をつけたい体の不調はもう1つある。小松市の説明では、食事や水分を十分にとらずに車の狭い座席で長く座り続けて足を動かさないと血行が悪くなる。すると血が固まりやすくなり、血の固まり(血栓)が血管を流れて肺にたまると肺塞栓などを起こすおそれがある。

予防として小松市が挙げているのは次のとおりだ。

  • ときどき軽い体操やストレッチをする
  • 水分をこまめに十分にとる
  • お酒を飲まず、たばこを吸わない
  • ゆったりした服を着てベルトをきつく締めない
  • かかとの上げ下ろしをしたり、ふくらはぎを軽くもんだりする
  • 眠るときは足を上げる

車中泊では夜中に目が覚めたときにかかとの上げ下ろしをして、朝までの間も水分をとっておく。SA・PAで休むときも、ドラぷらは体操などで体を動かすことを勧めている。

車中泊でよく聞かれる8つの質問に答える

Q. 道の駅での車中泊は禁止されている?
A. 道の駅は24時間使える休憩施設で、運転の途中で車内で仮眠をとるのはかまわない。国土交通省は駐車場など公共の場所で泊まる使い方を基本的に遠慮してほしいとしている。宿泊用の駐車スペースを設けた駅もある。

Q. サービスエリアで車中泊してもいい?
A. 休憩と仮眠には使える。NEXCO西日本は休憩の目的から外れた長時間・長期間の駐車や野宿・車上生活を禁止している。高速道路で泊まるなら鈴鹿PA(上り)のRVステーション(1台2,200円)のような予約制の区画を使う。

Q. SAで仮眠するなら何時間までがいい?
A. NEXCO東日本は眠気を感じたらSA・PAで15〜20分ほどの短い睡眠をとるよう勧めている。NEXCO西日本の短時間限定駐車マスは駐車後60分以内に出発する決まりで、60分を超えるならほかのマスに止める。

Q. RVパークの料金はいくら?
A. 三豊市の6か所は2,200円から3,000円で、道の駅にある2か所はどちらも2,500円だ。高速道路のRVステーション鈴鹿PAは1台2,200円(税込)で12:00〜翌10:00まで使える。

Q. 車中泊でエンジンをかけっぱなしにしてもいい?
A. 道の駅は長時間のアイドリングを禁止マナーに入れていて、東京都の条例も運転する人にアイドリング・ストップを義務づけている。寒さで暖房を使うなら30分〜1時間おきに換気し、マフラー周りの雪をどける。

Q. 冬の車中泊の寒さ対策は何が効く?
A. JAFの実験では外の気温が−13.2℃まで下がる夜に、毛布と使い捨てカイロの人と寝袋(冬山用)の人が8時間過ごせた。対策なしは2時間45分で、エマージェンシーシートは5時間27分でギブアップした。

Q. 車中泊で一酸化炭素中毒が起きるのはどんなとき?
A. マフラーが雪で埋まったままエンジンをかけると危ない。JAFの実験では対策なしの車が16分で短時間暴露限度の400ppmに届き、窓を5cmほど開けても約40分で400ppmになった。マフラー周辺を除雪した車ではほとんど検知されなかった。

Q. 車中泊でエコノミークラス症候群を防ぐには?
A. 小松市は狭い座席で長く足を動かさないと血が固まりやすくなるとして、ときどきの体操やストレッチとこまめな水分を勧めている。お酒とたばこを控え、眠るときは足を上げるのも予防になる。

車中泊を楽にする道具をまとめて見る

最後に:泊まる夜は有料区画かキャンプ場を予約しておく

道の駅とSA・PAの駐車場は、どちらも仮眠までが公式の線だ。泊まるなら鈴鹿PAのRVステーションやRVパークのような泊まるための区画か、オートキャンプ場を予約する。

どこに止めても、駐車マスの外に止めない・火を使わない・テントを広げない・ゴミを残さないの4つは守る。冬はエンジンを止めても過ごせる毛布とカイロか寝袋を積み、エンジンをかけるなら換気とマフラーまわりの除雪を忘れない。

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